『解析教程』の第二部は微分法にあてられており、その主な応用のひとつは、学生なら誰もが学ぶ極大と極小の求め方である。アニェージは曲線や幾何の問題の例を何十もあげてこの方法を教えるが、手順はいつも同じだ。量を式に書き、微分し、微分をゼロとおき、確かめる。

いちばん高い点

極大や極小の点では、曲線は一瞬だけ水平になる。接線の傾きがゼロになるのである。接線の傾きは導関数だから、極大と極小の候補は $y' = 0$ となる点である。

$a = 1$ のアニェージの曲線では $y = \frac{1}{1 + x^2} = (1 + x^2)^{-1}$ である。合成関数の微分法により

$$y' = -(1 + x^2)^{-2} \cdot 2x = -\frac{2x}{(1 + x^2)^2}.$$

導関数がゼロになるのは $x = 0$ だけである。$x < 0$ では正(曲線は上がる)、$x > 0$ では負(曲線は下がる)。したがって $x = 0$ が極大で、$y = 1$ である。

曲がり方が変わるところ

頂上の近くでは、ヴェルシエラはふたのように下向きに曲がっている。頂上から離れ、軸に近づくところでは、おわんのように上向きに曲がっている。曲がる向きが変わる点を変曲点という。アニェージは当時の数学者たちと同じく、二階の微分を使って変曲点を見つけた。$y''$ の符号が変わるところで、曲がる向きが変わるのである。

商の微分法で $y'$ を微分すると

$$\begin{aligned} y'' &= \frac{-2(1 + x^2)^2 + 2x \cdot 2(1 + x^2) \cdot 2x}{(1 + x^2)^4} \\ &= \frac{-2(1 + x^2) + 8x^2}{(1 + x^2)^3} = \frac{6x^2 - 2}{(1 + x^2)^3}. \end{aligned}$$

分母はつねに正だから、符号は $6x^2 - 2$ の符号で決まり、これは次の点でゼロになる。

$$x = \pm\frac{1}{\sqrt{3}} \approx \pm 0.577, \qquad y = \frac{1}{1 + \frac{1}{3}} = \frac{3}{4}.$$

二つの点のあいだでは $y'' < 0$ で、曲線は上に凸である。その外側では $y'' > 0$ で、下に凸である。直径 $a$ が何であっても、変曲点は $x = \pm\frac{a}{\sqrt{3}}$ にあり、高さはつねに最大の高さの四分の三である。

点を動かして、接線を見てみよう。

変曲点がちょうど接線のもっとも急なところであることに注意しよう。これは偶然ではない。$y'$ の導関数である $y''$ がそこでゼロになるので、傾き $y'$ がそこで最大(または最小)になるのである。

練習:面積が最大の長方形

長方形の下の二つの頂点が $x$ 軸上に、上の二つの頂点が曲線 $y = \frac{1}{1 + x^2}$ 上にあり、$y$ 軸について対称である。面積の最大値はいくらか。

上の頂点を $(\pm x, y)$ とすると、面積は $A(x) = 2x \cdot \frac{1}{1 + x^2} = \frac{2x}{1 + x^2}$ である。微分すると $A'(x) = \frac{2(1 + x^2) - 2x \cdot 2x}{(1 + x^2)^2} = \frac{2(1 - x^2)}{(1 + x^2)^2}$ で、これは $x = 1$ でゼロになる。最大の面積は $A(1) = \frac{2}{2} = 1$、底辺 2、高さ $\frac{1}{2}$ の長方形である。

練習:もっとも急な接線

曲線 $y = \frac{1}{1 + x^2}$ の変曲点 $x = \frac{1}{\sqrt{3}}$ での傾きはいくらか。

$y' = -\frac{2x}{(1 + x^2)^2} = -\frac{2/\sqrt{3}}{(4/3)^2} = -\frac{2}{\sqrt{3}} \cdot \frac{9}{16} = -\frac{9}{8\sqrt{3}} = -\frac{3\sqrt{3}}{8} \approx -0.650$。曲線のほかのどの接線も、これほど急ではない。

出典: Maria Gaetana Agnesi、Instituzioni analitiche ad uso della gioventù italiana、第 II 巻(1749)、第 II 部 · John Colson(訳)、Analytical Institutions、John Hellins 編(1801) · Judith V. Grabiner、The Origins of Cauchy’s Rigorous Calculus(1981)。


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