二人のプレイヤーが同じ額を賭けて、何回戦かの勝負をします。先に決められた回数だけ勝った人が全額をもらいます。途中で、勝負を中断しなければならなくなりました。お金はどう分ければ公平でしょうか?

これが分配問題(点の問題)です。単純に見えますが、150 年以上も数学者たちを悩ませました。

まちがった答え

1494 年、イタリアの修道士ルカ・パチョーリは、すでに勝った回数に比例して賞金を分けることを提案しました。A が 2 回、B が 1 回勝っていれば、A が $\frac23$ をもらう、と。

もっともらしく聞こえますが、そうではありません。100 勝先取の勝負が、A の 1 対 0 のリードで中断したとしましょう。パチョーリの規則では A が全額をもらいます。でも勝負は始まったばかりで、B が勝つ見込みもほとんど同じでした。大事なのはすでに起きたことではなく、これから起こりうることなのです。

1654 年の手紙

この問題は、賭け事好きのフランス貴族シュヴァリエ・ド・メレを通じてブレーズ・パスカルのもとに届きました。パスカルはトゥールーズのフェルマーに手紙を書き、1654 年の夏、二人は一連の手紙を交わしました。それぞれが別の道で答えを見つけました。パスカルは結果から逆にたどる段階的な推論で、フェルマーはすべての可能性を数え上げることで。

二つの方法が同じ答えを出したのを見て、パスカルはこう書きました。

真理はトゥールーズでもパリでも同じであることが、よくわかります。

— ブレーズ・パスカル、フェルマーへの手紙(1654 年 7 月 29 日)

フェルマーの方法:未来を数える

各回はコイン投げのようなもので、どちらのプレイヤーもその回に勝つ見込みは $\frac12$ だとします。勝負が中断したとき、A はあと 1 勝、B はあと 2 勝必要です。

フェルマーはこう考えました。あと2 回やれば、必ず誰かが勝っている。だから、1 回目で勝負が決まっても、2 回とも行うと想定する。起こりうる結果(すべて同じ確率)は、

回 勝者
A A A
A B A
B A A
B B B

4 通りのうち A が 3 通り、B が 1 通りで勝ちます。確率は

$$P(A)=\frac34,\qquad P(B)=\frac14.$$

賞金が金貨 80 枚なら、公平な分け方は A に 60 枚、B に 20 枚です。

ちょっと待って。「A A」と「A B」では 1 回目で勝負が終わっています。なぜ 2 回目まで数えるのでしょう? 勝負が終わったあとにもう 1 回やっても勝者は変わらないからです。そしてこの工夫で、すべての場合が同じ長さ、同じ確率になり、数えるのが簡単になります。

残りの必要勝利数を変えてください。各回が独立で、両者の見込みが等しい場合の数え上げを示します。

一般の規則

A があと $a$ 勝、B があと $b$ 勝必要なら、勝負は多くても $a+b-1$ 回で決まります。フェルマーは $2^{a+b-1}$ 通りのすべての並びを書き出し、A が少なくとも $a$ 回勝つものを数えました。この数え上げには算術三角形の数が使われ、パスカルはちょうどそのころそれを研究していました。パスカルの方法はパスカルのシリーズをご覧ください。

新しい考え方

1654 年以前、偶然を本格的な数学で扱った人はいませんでした。パスカルとフェルマーの手紙は期待値という考えを導入しました。各プレイヤーが「受け取るべき」ものは、賞金に勝つ見込みを掛けたものだ、というのです。同じ考えは、今日の保険、投資、そしてリスクをともなうあらゆる判断の土台になっています。

練習:二人ともあと 1 勝で勝つ。金貨 80 枚をどう分けるか?

次の 1 回ですべてが決まり、それぞれの見込みは $\frac12$。公平な分け方は 40 枚ずつです。

練習:A はあと 1 勝、B はあと 3 勝必要である。金貨 80 枚をどう分けるか?

3 回で勝負は決まります。$2^3=8$ 通りのうち、B が勝つのは BBB だけ。よって $P(A)=\frac78$、$P(B)=\frac18$。A に 70 枚、B に 10 枚です。

資料: フェルマーの伝記、MacTutor · パスカルの伝記、MacTutor。


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