一般化された二項式:整数のべきを超えて
学校では $(1+x)^2=1+2x+x^2$ や $(1+x)^3=1+3x+3x^2+x^3$ の展開を習います。係数は算術三角形(パスカルが研究し、それ以前から知られていたもの)から得られます。正の整数の指数なら、展開は必ず終わります。
1664 年から 1665 年の冬、まだ学生だったニュートンは、誰もこれほど大胆には問わなかった問いを立てました。指数が $\frac12$ だったら? $-1$ だったら? $(1+x)^{1/2}$、つまり $\sqrt{1+x}$ を $x$ のべきの和として書くとどうなるのか?
係数の規則
ニュートンはジョン・ウォリスの『無限算術』を読んでいました。この本は数表の間を補間して面積を求めていました。同じ発想をたどって、ニュートンは二項係数が、指数が整数であることに依存しない規則に従うことに気づきました。
$$(1+x)^\alpha=1+\alpha x+\frac{\alpha(\alpha-1)}{2!}x^2+\frac{\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)}{3!}x^3+\cdots$$各係数は、一つ前の係数に $\dfrac{\alpha-k}{k+1}$ を掛けると得られます。$\alpha$ が正の整数なら、どこかで因子 $(\alpha-k)$ がゼロになり、それ以降の項はすべて消えます。これが学校で習う二項式です。$\alpha$ が正の整数でなければ、どの因子もゼロにならず、和はどこまでも続きます。
この級数は $|x|<1$ のときに成り立ちます。その範囲の外では項が小さくならずに大きくなり、和は収束しません。
二つの例
$\alpha=-1$ のとき、係数は $1,-1,1,-1,\dots$ となり、すでに知られていた級数、等比級数が得られます。
$$\frac{1}{1+x}=1-x+x^2-x^3+\cdots$$$\alpha=\frac12$ のとき、新しいものが現れます。
$$\sqrt{1+x}=1+\frac{x}{2}-\frac{x^2}{8}+\frac{x^3}{16}-\frac{5x^4}{128}+\cdots$$ニュートンは現代的な意味での証明を持っていませんでした。彼は検算したのです。この級数を自分自身と掛け合わせ、項が打ち消し合って $1+x$ だけが残ることを確かめました。最初の 3 項で試してみましょう。
$$\left(1+\frac{x}{2}-\frac{x^2}{8}\right)^2=1+x+\left(\frac{x^2}{4}-\frac{x^2}{4}\right)+\cdots=1+x+0\cdot x^2+\cdots$$$x^2$ の項は、あるべきとおり消えます。その先の項も同様です。
足し算で平方根を求める
$\sqrt{1.21}$ を計算するには $x=0.21$ とします。
$$1+0.105-0.0055125+0.0005788125=1.1000663125.$$正確な値は $1.1$ です。4 項だけで誤差はすでに小数第 4 位にあり、第 5 項 $-5x^4/128\approx-0.000076$ でさらに改善します。特別なアルゴリズムが必要な平方根が、掛け算と足し算の連続になったのです。
なぜ重要だったのか
それまで、無限級数は珍しいものにすぎませんでした。ニュートンはそれを道具に変えました。根号や分数を含むどんな式も、べきの和に置き換えられ、べきなら微分も積分も簡単です。こうして彼は、誰も測れなかった曲線の下の面積を計算しました。これは面積の記事で見ていきます。
ニュートンがこの方法を公に説明したのは 1676 年、王立協会の書記ヘンリー・オルデンバーグを通じてライプニッツに送った 2 通の手紙の中でした。今日、この公式はテイラー級数の特別な場合として現れます。
練習:√1.04 を 3 項で近似せよ
$x=0.04$ として:$1+0.02-\dfrac{0.0016}{8}=1+0.02-0.0002=1.0198$。次の項 $x^3/16$ はわずか $0.000004$ で、真の値は $1.019804\ldots$ です。
練習:1/√(1+x) の最初の 3 項を書け
ここでは $\alpha=-\frac12$。係数は $1$、$-\frac12$、$\dfrac{(-\frac12)(-\frac32)}{2}=\frac38$。したがって $\dfrac{1}{\sqrt{1+x}}\approx1-\dfrac{x}{2}+\dfrac{3x^2}{8}$。
資料: ニュートン・プロジェクトの数学手稿 · MacTutor の伝記。