ギリシアの幾何学者たちは、角柱、角錐、円柱、円錐の体積を計算できた。球だけが手ごわかった。全二巻の論考『球と円柱について』で、アルキメデスはこの問題を解き、驚くほど簡単な関係を見いだした。

定理

赤道のように球の中心を通る円を大円と呼ぶ。アルキメデスは次のことを証明した。

  1. 球の表面積は大円の面積の四倍である。$S = 4\pi r^2$。
  2. 球の体積は、大円を底面とし半径を高さとする円錐の体積の四倍である。$V = 4 \cdot \frac{1}{3}\pi r^2 \cdot r = \frac{4}{3}\pi r^3$。

そしてそこから、彼をもっとも喜ばせた帰結を引き出した。球をちょうど包む、半径 $r$、高さ $2r$ の円柱を考える。その体積は $\pi r^2 \cdot 2r = 2\pi r^3$、二つのふたを含めた表面積は $2\pi r \cdot 2r + 2\pi r^2 = 6\pi r^2$ である。したがって

$$\frac{V_{\text{球}}}{V_{\text{円柱}}} = \frac{\frac{4}{3}\pi r^3}{2\pi r^3} = \frac{2}{3}, \qquad \frac{S_{\text{球}}}{S_{\text{円柱}}} = \frac{4\pi r^2}{6\pi r^2} = \frac{2}{3}.$$

球の体積も表面積も、円柱の三分の二なのである。

『球と円柱について』のラテン語写本のページ、十三世紀。アルキメデスの著作がギリシア語からラテン語に訳された時代のものである。
『球と円柱について』のラテン語写本のページ、十三世紀。アルキメデスの著作がギリシア語からラテン語に訳された時代のものである。ラテン語写本、1270 年頃 · Wikimedia Commons · パブリックドメイン

缶のラベルのような表面

表面積の結果を見てとる方法があり、アルキメデス自身もそれを知っていた。球と円柱を、ごく近い二つの水平な平面で切る。そのあいだの球の帯は、円柱の帯と同じ面積をもつ。球が細いところでは帯がより傾いて、そのぶん幅が広くなり、二つの効果がちょうど打ち消しあうのである。すべての帯を足しあわせると、球の表面積は円柱の側面積 $2\pi r \cdot 2r = 4\pi r^2$ に等しくなる。

この事実には実用的な帰結がある。球の各点を水平に円柱へ移す投影は、面積を保つのである。これがランベルトの正積円筒図法の基礎で、国々の大きさを正しく表す地図に使われている。

アルキメデスの墓を見つけるキケロ。ピエール=アンリ・ド・ヴァランシエンヌの絵、1787 年。
アルキメデスの墓を見つけるキケロ。ピエール=アンリ・ド・ヴァランシエンヌの絵、1787 年。Pierre-Henri de Valenciennes · Wikimedia Commons · パブリックドメイン
練習:円柱の箱のなかの玉

半径 3 cm の玉が、それをちょうど包む円柱形の缶に入っている。缶のなかの空気の体積はいくらか。

円柱は $\pi \cdot 3^2 \cdot 6 = 54\pi$ cm³、球は $\frac{4}{3}\pi \cdot 27 = 36\pi$ cm³ で、これは $54\pi$ の $\frac{2}{3}$ である。空気は $54\pi - 36\pi = 18\pi \approx 56.5$ cm³ で、ちょうど缶の三分の一を占める。

練習:地球の面積

地球を半径 6371 km の球とみなして、表面積を求めよ。赤道と北緯 30° の緯線のあいだにあるのは、その何分のいくつか。

$S = 4\pi \cdot 6371^2 \approx 5.10 \times 10^8$ km²。ラベルの議論により、球の帯の面積はその高さだけで決まり、$2\pi r h$ である。北緯 30° の緯線は赤道から $h = r \sin 30° = \frac{r}{2}$ の高さにある。帯の面積は $2\pi r \cdot \frac{r}{2} = \pi r^2$、すなわち表面積全体の $\frac{1}{4}$ である。地球の四分の一が、赤道と北緯 30° のあいだにある。

出典: アルキメデス『球と円柱について』第 I 巻、命題 33–34 と系 · プルタルコス『マルケルス伝』17 · キケロ『トゥスクルム荘対談集』V、64–66 · Thomas L. Heath、The Works of Archimedes(1897)。


アルキメデスの全トピック · ← 放物線の求積 · 『方法』とパリンプセスト →

画像クレジット.