球と円柱
ギリシアの幾何学者たちは、角柱、角錐、円柱、円錐の体積を計算できた。球だけが手ごわかった。全二巻の論考『球と円柱について』で、アルキメデスはこの問題を解き、驚くほど簡単な関係を見いだした。
定理
赤道のように球の中心を通る円を大円と呼ぶ。アルキメデスは次のことを証明した。
- 球の表面積は大円の面積の四倍である。$S = 4\pi r^2$。
- 球の体積は、大円を底面とし半径を高さとする円錐の体積の四倍である。$V = 4 \cdot \frac{1}{3}\pi r^2 \cdot r = \frac{4}{3}\pi r^3$。
そしてそこから、彼をもっとも喜ばせた帰結を引き出した。球をちょうど包む、半径 $r$、高さ $2r$ の円柱を考える。その体積は $\pi r^2 \cdot 2r = 2\pi r^3$、二つのふたを含めた表面積は $2\pi r \cdot 2r + 2\pi r^2 = 6\pi r^2$ である。したがって
$$\frac{V_{\text{球}}}{V_{\text{円柱}}} = \frac{\frac{4}{3}\pi r^3}{2\pi r^3} = \frac{2}{3}, \qquad \frac{S_{\text{球}}}{S_{\text{円柱}}} = \frac{4\pi r^2}{6\pi r^2} = \frac{2}{3}.$$球の体積も表面積も、円柱の三分の二なのである。
缶のラベルのような表面
表面積の結果を見てとる方法があり、アルキメデス自身もそれを知っていた。球と円柱を、ごく近い二つの水平な平面で切る。そのあいだの球の帯は、円柱の帯と同じ面積をもつ。球が細いところでは帯がより傾いて、そのぶん幅が広くなり、二つの効果がちょうど打ち消しあうのである。すべての帯を足しあわせると、球の表面積は円柱の側面積 $2\pi r \cdot 2r = 4\pi r^2$ に等しくなる。
この事実には実用的な帰結がある。球の各点を水平に円柱へ移す投影は、面積を保つのである。これがランベルトの正積円筒図法の基礎で、国々の大きさを正しく表す地図に使われている。
練習:円柱の箱のなかの玉
半径 3 cm の玉が、それをちょうど包む円柱形の缶に入っている。缶のなかの空気の体積はいくらか。
円柱は $\pi \cdot 3^2 \cdot 6 = 54\pi$ cm³、球は $\frac{4}{3}\pi \cdot 27 = 36\pi$ cm³ で、これは $54\pi$ の $\frac{2}{3}$ である。空気は $54\pi - 36\pi = 18\pi \approx 56.5$ cm³ で、ちょうど缶の三分の一を占める。
練習:地球の面積
地球を半径 6371 km の球とみなして、表面積を求めよ。赤道と北緯 30° の緯線のあいだにあるのは、その何分のいくつか。
$S = 4\pi \cdot 6371^2 \approx 5.10 \times 10^8$ km²。ラベルの議論により、球の帯の面積はその高さだけで決まり、$2\pi r h$ である。北緯 30° の緯線は赤道から $h = r \sin 30° = \frac{r}{2}$ の高さにある。帯の面積は $2\pi r \cdot \frac{r}{2} = \pi r^2$、すなわち表面積全体の $\frac{1}{4}$ である。地球の四分の一が、赤道と北緯 30° のあいだにある。
出典: アルキメデス『球と円柱について』第 I 巻、命題 33–34 と系 · プルタルコス『マルケルス伝』17 · キケロ『トゥスクルム荘対談集』V、64–66 · Thomas L. Heath、The Works of Archimedes(1897)。