$1 - 1 + 1 - 1 + \cdots$ はいくつか。こう組にすれば $(1 - 1) + (1 - 1) + \cdots = 0$。ああ組にすれば $1 - (1 - 1) - (1 - 1) - \cdots = 1$。オイラーとライプニッツは、「正しい」答えは平均の $\frac{1}{2}$ だと考えた。十八世紀にはこうした和が自由に扱われ、その習慣はときにばかげた結果を生んだ。 部分和 『解析教程』の第 6 章で、コーシーはこの問題を根もとから断ち切った。級数 $u_0 + u_1 + u_2 + \cdots$ には部分和 $$s_n = u_0 + u_1 + \cdots + u_{n-1}$$がある。$n$ が大きくなるとき $s_n$ がある極限 $s$ に近づくなら、級数は収束し、$s$ がその和である。そうでなければ級数は発散し、コーシーの言葉でいえば「和をもたない」。$1 - 1 + 1 - \cdots$ では、部分和は永遠に 1 と 0 のあいだを跳びつづける。和はない。$\frac{1}{2}$ でも、ほかの何でもない。